熊茶庵のオーディオ 一期一会(お試し中)

茶人 「kumachan」趣味のオーディオ日記です

真空庵オーディオ周辺事情

銘は「真空庵」

 庵主の名はkumachan、オーディオが趣味、音楽を聴きたいがため思いを巡らす日々を楽しんでいる私です。オーディオルームは、銘を「真空庵」と付けました。茶の湯の世界で草庵とは粗末な庵(いおり)住居の意味です。室町ー安土桃山時代戦国大名などによる闘茶と呼ばれた贅を尽した茶の湯の潮流に一石を投じ、禅の境地に立脚した喫茶のスタイルを村田珠光千利休らが完成させたのが侘び茶。一客一亭を基本にした2畳から4畳半程の質素なしつらえの小間の茶室が草庵です。「真空庵」は6畳の洋室、ここにオーディオ機器、レコード棚が鎮座。動けるスペースは3畳程、正に草庵です。茶歴21年の今年、お家元よりお茶名を頂く事になりました。記念の節目に日記を残すことにしました。

 

オーディオ歴

正確なオーディオ歴は?はっきりしませんが、物心ついた頃には壊れたソニーのオープンリールテープコーダーから取り外した部品を大事に箱に入れ、お気に入りのおもちゃにしていた記憶があります。実家にはこのテープコーダーで録音されたテープが残っていることは知っていましたが、ハードも無く録音内容に興味を持ちながらも何十年も経っていました。5年程前、カセットテープのリバイバルブームに感化されオープンリールブームにも乗っかりました。デッキもオークションで入手しましたが、当然40年も前の製品ですし、マトモに動きません。

現役で直せるエンジニアは限られたメーカーにしか居ません。オークションの世界に名を馳せたリペアマンが、数人居る事が分かり、お世話になることになります。

オープンリールテープの入手も新品を含めてオークションのお世話になりましたが

ここで運命の出会いが。

ESI エレシステム

某ネットオークションで録音済のオープンリールテープを落札しました。出品者情報を調べると、秋田県由利本荘市真空管アンプ工房ESIエレシステム(代表伊藤様)。カセットテープにしても、オープンリールテープにしても長い年月を経て今、再生すると殆どの場合、目立つテープヒスノイズの処理、落込んだ高域特性の持ち上げ、ダブついた締りの無いボンボン鳴る低域の抑え込みなど、なんらかのトーンコントロールの機能が必要になります。落札したオープンリールテープを直接引取にESIエレシステム社に出向いた事が全ての始まりだったのです。

トーンコントロール

ESIエレシステムのプリアンプには全てトーンコントロール機能が内臓されており、可変量30dBのTTC回路(実用新案権獲得)を採用し、トーンコントロール時に全くウネリ、濁り、歪のない真直線可変が出来ます。

以上が、カタログに謳われている内容ですが、プリ増幅段その物の中にトーンコントロール回路が組み込まれており、不可分な回路構成になっています。テープに限らず、スピーカとアンプの相性、部屋の影響を最大限に受けてしまうオーディオを趣味とする音楽愛好家には、音質の調整をしたくてもこの機能が備わっていない機器を使っている場合なす術がなく、音が気に入らなくなってしまった場合は、アクセサリー類を試す必要があり、それでもダメな場合は、機器を買い換える事を繰り返すか、高額な機器に買い替えたのだからこれ以上良い音が出る訳が無いと、自己暗示の殻の中に閉じこもるかのどちらかを選ぶ事になる筈です。とあるメーカーのプリとパワーアンプを使用していた当時、トーンコントロールの必要性を感じ、ESIエレシステムのトーンコントロールユニットTC-906Tを使い始め、この機種がもたらすトーンコントロール機能は元より、プリ増幅段の圧倒的な高解像、高浸透力を伴った実在感に満ちたサウンドステージには圧倒されました。

雑誌や評論家先生に取り上げられることもほとんどなく、ごく少数のネット情報や口コミでのみ認知されていた、知る人ぞ知るアンプメーカー「ESIエレシステム」。私が驚くべき性能(音が良すぎる)に注目してからは、馴染みのショップや知人に紹介する事を繰り返して来ました。まとまった形でエピソードを振り返ってみたいと思います。忘れる前に、日記風に。

 

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